ㅇㄹ「何ですか、これは。」

アサヒルは突然現れたリコを見て大変驚いたようだっだ。

何かひどく間違っていると言いたいように、アサヒルの顔はかなり歪んだ。

「おい…リコ...」

急に何かが投げられて、リコの体を貫通した。

「リコ!」

瞬く間に行われたその悲惨な状況に、自然に声が高まった。
これ、確かにアサヒルの…

「ひやぁ！兄ちゃん、どうした？ 急に大声を出して。」

「え？」

きっとアサヒルの攻撃はリコに命中した。
なお、それはリコを攻撃しなかった。

ただ、体を通り過ぎただけ。

全然気付いていない・・・。
現状なら、絶対あり得ない、虫で成られたあんな化け物が上にいるのに。
もしかして、見えないのか?
アサヒルの姿が?

「NPCだ… NPCであるはずだ…。」

何かわからないけど、危ない。
アサヒルのやつ、目が怖くなった。

「NPCだ... NPCだと...貴方は決められた通りに行動するプログラムというのです!
なぜここに、なぜここにありますか？」

アサヒルの周囲には、まるで槍のようなものが宙に浮いている。
そして、これの先は…。

全部リコを向かっている。

「ささっと消えてください！」

忍耐心の限界に達したような声。
聞きにくい。

しかし、リコだけは、何の表情の変化もなく俺をじっと眺めていた。

リコにはアサヒルが見えることもなく、聞こえないようだった。

「ところで、この部屋はどこ?きれい!え…アタシの家の前にこんなのがあったかな?」

「何ですか。これは…」

アサヒルの顔が崩れた。

「一体何んだ、これは…なぜNPCのくせにこの空間に現れて、NPCのくせになぜパターンに外れたことを言うのですか？ありえないはずなのに…。」

「あ!もしこれ夢なの? そんなのか~?」

両方の温度が全全違う。

「ちぇっ、聞こえるはずがないか。でもそこまでは崩れなかったみたいだね。」

その言葉の意味を悟ったのは、突然前に倒れているリコーを発見した時だった。

「リコ！お、お前何を…」

「安心してください。 ただ眠ったことだけですから。」

何気ない表情。
こいつ,きっと今まで俺のそばに立っていたリコを一瞬に気を失わせた。
これも管理者の能力?

「あなた、これが今どれほど深刻な状況であるかを察することができますか?
いいえ、ありませんとも。
この世界は完璧です完璧な神が作った、完全な世の中ということです。」

神？

「この状況は、この世界の均衡を管理する管理者である私、アサヒルとしては...
到底受け入れられません。」

「いや、しばらくお待ちください。いくら考えても理解できません。
確かに原因があるんです。 今までうまく調整されたシステムが一朝一夕に駄目になるというのは...」

アサヒルは自分の顔に手を上げた。
頭を悩ませるようだった。

「原因、原因、原因、差、差、差。
その時と違うのは…」

瞬間、気持ち悪い音とともにアサヒルの顔が崩れ壊れた。
アサヒルの体が虫で成りていることを改めて証明された瞬間だった。

「手に力を、とても強く与えましたね...
悲しい…。」

ひぃ。
しばらく頭をもたげたアサヒルの顔を見た瞬間、口では自動的にこんな声が流れた。

さっきの知的な顔はすでに形も分からないほど、打ちのめされている。
虫に成られているが、血が流す。

何だよあの体。

「結論が出ました。」

アサヒルの指先は、俺を差した。
他の誰かじゃな。 確かに俺だった。

「この世の中が間違ったのではないです。
あなたが間違ったのですね。」

「あなた、『エラー』
ですよね？」

「え?」

エラーだと?

アサヒルの服にくっついていた虫が、再びアサヒルの顔に集まってきた。
無惨な姿だったアサヒルの顔が瞬く間に元の状態に戻った。

「パターンから外れたNPCたちのこのような行動、そして、身周りにいるあなたという。
初めて見る存在。」

「あなた、この世界の誤謬です。」

やつにはこれ以上怒りのようなものは感じられなかった。
むしろ勿体無いような余裕のある状態そのまま。
むしろ少し笑っているよ。

何あんな、変な性格を持ったやつが...

そして俺に。


「・・・エラー?」

「はい、そうです。」

瞬く間にすべての敵意を収めた。

「エラーって、なんだ？俺がエラーなんて。」

「あなたがどういう存在か分かるからエラーと命名することではありません。
一体どんな存在か命名できないためにエラーとするだけ。」

何だと？
俺が、命名できない存在?

「何とか言いいたいんですか? はい、私も知りたいですね。
言ってみてください、あなたがどんな存在なのか。 何でもいいから。」

存在。
存在。

俺という…。

「なんでもいいです。」

・・・・・・ない。
何もないよ。

俺がどんな人か、俺が何の存在か！
名前も、顔も知らないんだよ！

「ハハ、可笑しいことことありますか。
エラーが自分がエラーであることを分かることがもっと可笑しいです。」

アサヒルは声を高めて、腕を上に持ち上げた後、説明をし始めた。

「神はこの世の中を作るときに3つの役割を分けました。 まず、神が作った世の中を楽しむユーザー。」

「そして私のような神の恵みを受けた。世界の管理者。 感情の神官たち!」

「そしてただパターン通りに動かさなければならないNPCたち。」

「まあ、こんなのがありますが…。」

しばらく俺をにらむアサヒル。
その目は、冷たい。

その目つきはまるで汚いことをみるような軽蔑的な目つきだった。

「あなたはいなかった時は、こんなことはなかったんですけど…。
あなた、本当にユーザーですか?
それなら、なぜ基礎的な事項をひとつもわからなんですか?
それじゃなければ、まさかnpcですか?」

「いやいやいや、今私と話しているからそうではないんですよね。」

「それならまさか、管理者ですか?
そんな、はずがないでしょう？」

いや、俺は。
俺は。

「俺はただ…。俺だ。」

それ以外、言えることはない。
でも、アサヒルはふき出した。

「まあ、まあ、そうです。それ以外にいえることないでしょう？
当り前じゃないですか？あなたはあなた、それだけ。」

「そのあなたが、この世界の均衡を破るんですけどね。」

アサヒルが何を言っているのか、詳しくは分からない。

でも、アサヒルが言っていることは彼女と同じだった。

誤り、もちろん自分の名前も知らないのが正常だとは考えていなかったが、このようなやり方でいわれると、かなり衝撃的だった。

「まあ、いいですけど。」

しばらく何もなく俺を眺めていたアサヒルはこれ以上見ることもないというように顔を逸らす。

さっきのように俺にこれ以上何かをしようとする気配は見えなかった。 ただ、体を虫に分解して、空中に浮上しただけだった。

「あなたの存在について、もっともご存知の方は神でしょう。」

「...神?」

「そうです、神。この世を作った全知全能の存在。
あなたという存在について、知っていそうな方はその方だけです。」

「俺と言う…存在。」

「ふㅡうん?何をそんなに悩んでいますか? 悩んでも答えは出ないと思いますよ。多分。」

言い方がかなり気持ち悪いが仕方ない。

「まあ、いいです。 私はそろそろ帰るつもりです。 そこのNPCは何も覚えていないはずだから心配しないでください。」

「では、できるだけ。
早く消えてくださいエラーさん」

さっきの別れのあいさつとは、かなり違う。

アサヒルがなくなると、周辺の風景は元通りに戻ってきた。
出てリコーはいつも通りの村にいるだけだった。

すべてが、元の状態に戻った。

夢ではない。 確実な現実だ。

しかし、夢のように、跡形もなく消えてしまった。

「ハ?お兄ちゃんここで何してるの? 時間がかなり遅くなったって! 痛い人なのに早く寝なきゃ!」

眠りから覚めたリコは俺を見た瞬間、そう言った。

アサヒルが言った通り、その部屋であったことは全部忘れたのか？

本当に覚えていないのか?

NPCだから?

それじゃ、全部真実か？
アサヒルが言ったことは？

「お兄ちゃんどうした、さっきから、はっきりしてね、疲れたの?」

「リコ。」

「うん?なによ。遊んでくれって言われたら困まるよー？アタシはもう寝なければならない時間・・・」

アサヒルが言った危険なことが行われている場所には。

彼女がいる。

「大人たち全部起こして…」

もしアサヒルような人外的な存在が警告するほどなら…。

「早く！」

彼女が危ない。
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