테스트중

天道輝01

天道 輝

いよいよ始まるな…俺たちの初

ｽﾃｰｼﾞ｡｢ｱｲﾄﾞﾙﾃﾞﾋﾞｭｰｵｰﾃﾞｨｼｮﾝ｣!

柏木 翼

は､はいっ!気を引き締めていかないとっ!

天道 輝

翼､あんまり水分取り過ぎるなよ｡

ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰにも言われただろ｡

柏木 翼

すみません､ﾌﾗｲﾄ前ともまた違っていて､

妙に緊張してます…｡

天道 輝

胸張って堂々と行こう!

天道 輝

おまえも手術前の緊張に比べたら朝飯前

だろ?

桜庭 薫

……あ､ああ｡

天道 輝

もしかして…おまえも緊張してるのか?

桜庭 薫

ば､馬鹿を言うな!君こそ緊張してるんじ

ゃないのか!?

天道 輝

俺か?俺はｱﾚだ……傍聴者の前で弁論する

事も多かったしな……

桜庭 薫

何言ってるんだ｡｢昨日は緊張で寝れなか

った｣と顔に書いてあるぞ｡

柏木 翼

確かに､輝さん眠そうですね｡

天道 輝

…おっと時間だ!DRAMATIC STARS行

くぞ!緊張なんか蹴っ飛ばしちまえ!

天道輝02

天道 輝

そういやおまえ､足のｹｶﾞは大丈夫か?

問題なく踊れてるみたいだが｡

桜庭 薫

問題ない｡君の余計なちょっかいで､

多少気が散ったがな｡

天道 輝

ちょっかい……ああ､ｽﾃｰｼﾞ前か｡けど､

緊張ほぐれたろ?

桜庭 薫

僕は緊張なんかしていないと言っている

だろう!!

天道 輝

あー解った解った｡桜庭は緊張してなかっ

た｡これで問題解決な!

桜庭 薫

なるほど……君が認識を改めたのならい

い……とでも言うと思うか?

柏木 翼

薫さん､目が笑ってないですよ……

天道輝03

天道 輝

そういえば､ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰがなんか言ってた

ような気が…

桜庭 薫

なんの話……ああ､双子のﾕﾆｯﾄが

ｵｰﾃﾞｨｼｮﾝに出場するという話か｡

天道 輝

それだ双子｡つっても､これだけ

ｱｲﾄﾞﾙが集まってるとわからねぇな｡

桜庭 薫

相応の実力者ならば､そのうち目に入るだ

ろう｡

天道 輝

俺らも出場者なわけだが……なんでそん

な偉そうに言えるんだ?

桜庭 薫

君は不思議なことを言うな…この僕が合

格しないとでも?

天道 輝

……おまえのそういうところは､尊敬に値

するぜ｡

天道輝04

桜庭 薫

はぁ…はぁ…はぁ……

天道 輝

(まずいな……桜庭はそろそろ体力が限界

か……)

天道 輝

ほらﾄﾞﾘﾝｸ飲め｡あと濡らしたﾀｵﾙだ｡

少し体を冷やせ｡

桜庭 薫

うるさい…君の手を借りずとも､僕はやれ

る｡

天道 輝

んな覇気のねぇ声で言われても､全然説得

力ねぇな!

天道 輝

ﾄｯﾌﾟｱｲﾄﾞﾙになるんだろ!?ならなきゃなら

ねぇんだろ!?だったら……

天道 輝

だったら何でも利用しろ｡俺もあきらめる

訳にゃいかねんだよ｡

桜庭 薫

…わかった｡しかしこれはあくまで借りだ

｡いつか必ず返す｡

天道 輝

おう｡貸し借りの話はどうでもいいけど､

絶対に受かるぞ……いいな｡

天道輝05

天道 輝

とうとう､次がﾗｽﾄってところまで来たな｡

天道 輝

でも､桜庭は完全にｶﾞｽ欠か｡

桜庭 薫

誰が､ｶﾞｽ欠だ……天道……砂糖を持って

きてくれ……

天道 輝

砂糖?わ､わかった…ちょっと待ってろ｡

天道 輝

ｽﾃｨｯｸｼｭｶﾞｰなら､10本ほど手に入ったけど…

桜庭 薫

上出来だ……そこのｳｫｰﾀｰｻｰﾊﾞｰで水を汲

んでくれ……

天道 輝

水に砂糖を入れて飲むのか!?

桜庭 薫

即席の点滴みたいなものだ……それより､

絶対に､合格､する……Zzz……

天道 輝

言いたいだけ言って寝ちまった…

ふっ､ははっ…いっちょやるか!

天道輝06

天道 輝

やったな!俺たち､やりきったぞ!!

柏木 翼

はい!ﾊﾟｲﾛｯﾄ試験に受かったときと同じぐ

らいうれしいです!!

桜庭 薫

そうだな…高難度の術式を終えた後のよ

うな達成感だ｡

天道 輝

いちいちけったいな奴だな｡もうちょっと

こう､素直に喜べないのか?

桜庭 薫

直情熱血､騒がしいのは､肌に合わなくて

ね｡

柏木 翼

まあまあ､こんなに嬉しい日にｹﾝｶしなく

てもいいじゃないですか｡

天道 輝

それもそうだな!よし､今日は朝まで騒ぐ

ぞ!拒否権はない!

桜庭 薫

仮にも元法律家なら､今の発言に問題があ

る事ぐらいわかるだろう?

天道 輝

つまんねぇこと言ってねぇで､

ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰも呼んでこい!

桜庭 薫

ぼ､僕が呼んでくるのか!?仕方ない…

これで貸し借りはﾅｼだからな｡

天道 輝

ははっ､やっすい借りの返し方だな!

柏木翼01

柏木 翼

うぅう〜…緊張してきたなぁ…

柏木 翼

芸能界には疎いから……誰がﾀﾚﾝﾄで誰がｽ

ﾀｯﾌかもわからないし｡

天道 輝

安心しろ翼…俺もわからん!

桜庭 薫

それは自慢できる事じゃない｡

天道 輝

んだよ､じゃあおまえは詳しいのかよ｡

桜庭 薫

全く興味が無いが…それが何か?

柏木 翼

…それもそれで､どうかと思いますよ｡

柏木 翼

たまにTV見ると､出てない人の話を振ら

れたりするじゃないですか｡

柏木 翼

ああいうのが来たらと思うと､怖いですよ

ね…

天道 輝

たっ確かに!!

桜庭 薫

やり過ごすしかないな…

柏木 翼

だっ大丈夫なのかな､ｵﾚたち…

柏木翼02

柏木 翼

ｽﾃｰｼﾞの上って客席が全部見渡せるんです

ね｡

天道 輝

なんだ､緊張してた割にはよく見えてるじ

ゃないか｡

柏木 翼

……本番のｽﾃｰｼﾞはもっと緊張するんでし

ょうね｡

柏木 翼

ﾊﾟｲﾛｯﾄの時は､こんな風にお客様の前に出

ることはなかったから｡

柏木 翼

でも､だからこそ､今度はお客様の喜ぶ顔

を見ながら飛べるんだって｡

柏木 翼

そう思ったら､凄く嬉しくて……

天道 輝

そうだな……そういう風に考えられるの

は､いいことだ｡

柏木翼03

柏木 翼

薫さん!第2審査も､うまくいきましたね!

桜庭 薫

ああ…その…君はなんと言うか､吹っ切れ

ると切り替えが早いな｡

柏木 翼

えっ!?…そう､ですか?自分では気付きま

せんでした｡

桜庭 薫

先ほどのｽﾃｰｼﾞと､この第2審査では動きが

全然違っている｡

柏木 翼

そう言われると､さっきより体が軽く動き

やすくなった気がします｡

桜庭 薫

人前でのﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽ経験の少なさは､

君と大差無いと思っていたのだが｡

柏木 翼

でも､難しい手術だと､大勢のお医者さん

が見学するって聞きました｡

桜庭 薫

ふむ…それなら僕は何度も経験している

な｡

柏木 翼

それも大勢の人前だったと思えば､

少しは軽くなりませんか?

桜庭 薫

……案外そういうものかもな｡礼を言う｡

柏木翼04

柏木 翼

あれ?輝さんはどこいったんですか?

桜庭 薫

今さっき､外に練習に行った｡何でもｱﾚを

見たら不安になったそうだ｡

柏木 翼

ｱﾚ?ああ､双子の…｡ｵﾚもさっき見ましたけ

ど｡

桜庭 薫

双子ならではの対称性を完璧に活かした

ﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽだったな｡

柏木 翼

だからﾏｲｸも左右逆に持って､左右対称の

ﾀﾞﾝｽしていたのか!

桜庭 薫

天道だけじゃない｡この僕でも､あの完成

度には多少不安を覚えるな｡

柏木 翼

ｵﾚも輝さんのところに行って､練習してき

ます!

柏木翼05

天道 輝

なんだ､翼｡そのでっかい団扇は｡

柏木 翼

ああ､薫さんが寝苦しそうだから借りてき

たんですよ｡

天道 輝

あおいでやるのか?結構重労働だろ､

翼が疲れちまう｡

柏木 翼

ｵﾚは大丈夫ですよ､体力には自信がありま

すから｡

柏木 翼

薫さんにはできる限り体力を戻してもら

わないと!合格したいですから!

天道 輝

そうだな…じゃあ疲れたら言えよ｡

柏木 翼

はい!そのときはお願いします｡

天道 輝

ったく､桜庭って意外と手ｪかかんのな｡

柏木 翼

口では手がかかるとか言いつつ､輝さんは

面倒見がいいですよね｡

天道 輝

おいおい止せ!褒められ慣れてないから､

全身がかゆくなってきた!

柏木翼06

柏木 翼

輝さん薫さんっ!合格!合格しましたよ!!

合格合格合格ｺﾞｰｶｸ!!!!

天道 輝

わーった､わーったよ!おまえ今まで

ｽﾃｰｼﾞやってたのに､よく動けんな?

柏木 翼

嬉しくて､疲れも吹き飛んじゃいましたよ!

天道 輝

はは!頼もしい限りだな｡

柏木 翼

ｵﾚたち､いよいよ一歩を踏みだすんですね

!ｳｩ-っ､ﾜｸﾜｸしますね!

桜庭 薫

天道｡僕には今､柏木が別の動物に見えて

いる｡

天道 輝

奇遇だな｡俺もそう思ってたとこだ｡

桜庭 薫

君と共感するのは非常に不本意だが､

恐らく同じ動物が浮かんでるな｡

天道 輝

ああ､犬だ｡

桜庭 薫

やはりな｡それもﾚﾄﾘｰﾊﾞｰやﾗﾌ･ｺﾘｰ系統の

でかい犬だろう｡

柏木 翼

やった!やったぁ!!やりましたね!

やりましたよ!ばんざーい!